ときどき街で見かける双子ですが、男女の双子、まるで分身のようなそっくりな見た目の双子、全く違うように見えるけど実は双子、双子といってもいくつかのパターンがあり、それぞれ違いがあります。
今回は『双子の種類、妊娠』について説明させていただきます。
双子の種類について
双子には大きく分けて一卵性双生児と二卵性双生児があり、一卵性双生児の場合は遺伝子(DNA)が同じであるため、性別はほぼ100%同じになります。
そのため、性別が違う場合はほぼ100%二卵性双生児であると考えて間違いありません。
一卵性双生児
1つの卵子に1つの精子が受精し、その1つの受精卵が何らかの原因で2つに分裂して誕生するのが、『一卵性双生児』です。
1つの受精卵が分裂しただけなので、もちろん血液型や性別、遺伝子(DNA)も全く同じになります。
そのため、見分けがつかないような双子の場合、一卵性双生児ということになります。
また、見分けがつかないほどの一卵性双生児だったとしても、『指紋』はそれぞれ異なっています。
その理由としては、遺伝子(DNA)だったとしても、全ての遺伝子(DNA)が100%発現し人を構成しているわけではなく、遺伝子(DNA)の発現パターンはランダムであるため、同じ遺伝子(DNA)を持っていたとしても、完全一致の人間ではないということです。
そのため、実は見た目でも多少なりとも違いがあります。
また、性格や考え方に関しては、それぞれの経験が培われるもののため、いくら遺伝子(DNA)が同じだったとしても経験を積むことで変わってくるはずです。
準一卵性双生児
私も双子について調べていたときに初めて知りました。
基本的にはありえませんが、1つの卵子に2つの精子が受精し、多精子受精(過受精)となった受精卵が何らかの原因で分裂し、双子になる場合です。
卵子に過受精が発生する確率は、全体の受精の1%程度と言われていますが、受精卵には異なる遺伝子(DNA)が混在したキメラとなってしまい、実際に出生し、生存が確認された事例は1例のみと、非常に稀なパターンです。
基本的には起こりえないこととなります。
異性一卵性双生児
一卵性双生児の場合、遺伝子(DNA)が同じであるため基本的には性別が同じになりますが、1つの受精卵が分裂した際に、一方の受精卵から男または女の遺伝子が欠落し、性別が異なってしまう場合です。
一卵性双生児の場合、性別も同じになることが基本であり、異性一卵性双生児として出生する確率は非常に低く、世界でも数えるほどしか確認されていません。
また、この場合は遺伝子(DNA)も異なっています。
半一卵性双生児
受精前に卵子が分裂し、分裂した受精卵にそれぞれ精子が受精し出生する場合です。
この場合、卵子が分裂し、それぞれ別の精子と受精した受精卵となるため、二卵性双生児という扱いになり、性別が異なる可能性は二卵性と同様となり、遺伝子(DNA)は75%が一致します。
存在すると言われているが、検証が困難であることに加え、数も多くないことから確認はされていないません。
結合双生児
一卵性双生児の場合に限り、非常に確率は低いですが、卵子の分裂が不完全な状態で成長してしまい、体が結合した状態の双子のことを言います。
過去にアメリカでおよそ800万の出生を検証した結果、10万出生に対し、およそ1組の割合で起きていることが確認されています。
某TV番組『世○が○天ニュース』でも紹介されていましたが、アメリカでは結合双生児として生まれ、結合双生児のまま元気に暮らし小学校教員になった例もあります。
ミラーツイン
一卵性双生児の場合、利き手が左右に別れた至、つむじが右巻き・左巻きと対象になっている場合があります。
まるで鏡を見ているかのようですね。
これをミラーツインといいます。
ミラーツインの可能性については、一卵性双生児の25%がミラーツインの可能性を秘めています。
二卵性双生児
2つ以上の卵子が排卵され、それぞれに異なる精子が受精し出生する双子のことを二卵性双生児といいます。
これは、卵子も違えば、精子も違う受精卵が2つなので、遺伝子(DNA)はもちろん異なりますし、血液型や性別も異なる場合があり得ます。
一卵性双生児は遺伝子(DNA)が全く同じ2人でしたが、二卵性双生児に関しては遺伝子(DNA)が完全に異なることから同時に兄弟姉妹が生まれるという感じになります。
見た目や性格が似ている兄弟姉妹もいれば、全く異なる兄弟姉妹もいるように、二卵性双生児に関して言えば、似ている可能性もありますし、全然違う可能性もあり得ます。
どれだけ似ていたとしても性別が異なる双子の場合は、ほぼ100%の二卵性双生児(半一卵性双生児も含む)です。
(異性一卵性双生児の可能性も考えられる)
双子が生まれる確率は?
一卵性双生児
1000の出生に対し3~4組程度の割合で、0.3~0.4%ということになります。
一卵性双生児の場合、1つの受精卵が何らかの原因によって分裂するという不思議な現象が起こらない限り生まれることがなく、不妊治療や地域、遺伝なども影響しないと考えられています。
そのため、古来より出生率に一卵性双生児の出生率に変化はなく、紛れもなく奇跡なのだと私は考えます。
※改めていいますが、一卵性双生児の場合、遺伝の影響もないと言われています。
二卵性双生児
日本で双子が生まれる確率は、100の出生に対しおよそ1組の割合で、1%ということになります。
不妊治療で受精卵を複数戻したり、多排卵となってしまうことにより、不妊治療の増加により二卵性双生児の出生確率は増加傾向のようです。
また、二卵性双生児の場合に関しては、遺伝により多排卵の場合が考えられることから、遺伝による双子の出生率が上がります。
双子はお腹の中でどうなっているの?
双子の妊娠は、通常の1人の妊娠とお腹の中の状況が大きく変わり、大切な2人の赤ちゃんの危険度も変わってきてしまいます。
もちろん、単胎児に比べリスクがあることに違いはありませんが、一卵性双生児の場合に関してはお腹の中の状況が3つあり、それぞれのリスクと、それぞれのお腹の中の状況になってしまう確率を以下で説明します。
※二卵性双生児の場合はDDツイン(二絨毛膜二羊膜)となります
ちなみに我が家はMDツイン(一絨毛膜二羊膜)でした。
DDツイン(二絨毛膜二羊膜)
リスク:★
確率 :30%程度
状況 :胎盤×2、羊膜×2
これは双子の妊娠の場合のスダンダード、最も望ましいお腹の中の状況で、最もリスクの少ないパターンと言えます(単胎児に比べリスクはあります。)
赤ちゃん一人ひとりに対し、それぞれ胎盤と羊膜があり、それぞれの赤ちゃんは自分の部屋(羊膜)に分かれており、栄養を送る胎盤も別れていることから栄養を取り合うこともないからです。
MDツイン(一絨毛膜二羊膜)
リスク:★★★
確率 :70%
状況 :胎盤×1、羊膜×2
受精後4~8日で着床した場合MDツインになり、一卵性双生児の妊娠の中でも一番多いのですが、リスクも高く頻繁な通院による経過管理、場合によっては早期の管理入院もあります。
これは、赤ちゃん1人に対し胎盤が1つしかなく、羊膜は2つある状況で、それぞれの赤ちゃんの部屋(羊膜)は別れているため、お互い触れ合うことも無ければへその緒が絡まることもありません。
しかし、栄養を送る胎盤が1つしかなく赤ちゃん同士で栄養の取り合いが起こってしまい、成長の偏りが発生してしまう可能性があります。
お互いの体重差(栄養の偏り)が大きくなった場合、実は体重が重い(栄養を多く貰った)方がより危険な状況の場合が多く、我が家も差は300gでしたが大きい子は多血でNICUに入っていました。
これは、単胎児に比べ10倍のリスクがあると言われています。
MMツイン(一絨毛膜一羊膜)
リスク:★★★★★
確率 :1%以下
状況 :胎盤×1、羊膜×1
受精後8~12日で分裂した場合MMツインになり、これは一番危険なお腹の中に赤ちゃんは2人いるにも関わらず、胎盤と羊膜が1つの状態で、非常にリスクがあります。
MDツインのように、栄養が偏ってしまうリスクに加え、赤ちゃん2人が1つの部屋(羊膜)にいる状態なので、お互いのへその緒が絡まってしまうリスクも増してしまいます。
リスクが高いからと言って、必ず死産してしまうものでもありません。
MMツインだったとしても元気に生まれてくる子もたくさんいますし、双子の妊娠というだけで専門病院での頻繁な経過観察、妊娠管理が行われるため、死亡率は改善されてきています。
また、専門病院には様々な医師が常におり、何か問題が起こったとしても即座に対応できる環境が整っていると考えられます。
リスクだけには目もむけるのではなく、恵まれた環境や双子の出産という素晴らしい運命、あとはあなたを選んでくれた赤ちゃんたちが元気に生まれてくることを信じてあげるだけでも少し気持ちが楽になるのではないかと思います。
バニシングツイン
聞きなれない言葉だと思いますが、これは、お腹の中で双子のうち片一方が亡くなってしまい、そのまま消滅してしまう現象です。
定期的なエコーなどで存在は確認できたのですが、気づいたらいなくなっている、そういったことを『バニシングツイン』と言います。
原因についてはまだ解明されていませんが、妊娠初期に起こるといわれており、双子の妊娠のうち3割程度で起こっている比較的起こりやすい現象です。
また、片一方が亡くなることはとてお残念で悲しいことですが、もう一方の方への影響も気になるところですよね。
結論から言うと、もう片一方の方への影響はないと考えられており、通常の単胎児の妊娠と変わらないと考えて良いでしょう。
コメント